電車の中でも広告が打たれていたのを目にしたことがある、小学生に1人1台タブレットを導入するという案。みなさんどう思われますか?いまどきの小学生はタブレットぐらい使えないと将来困る?わたしは大反対です。
(同じ公立小学校でも地域差があるのかもしれません。でもうちの子供の学校の現状はこんな感じです。)
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まるで昭和?な特殊で不思議な世界、それが小学校
連絡帳は、その言葉通りの連絡ノート
いまどきの公立小学校が、どのぐらい時代に合っていないか、って自分の子供が実際に行ってみないと分からないと思います。話には聞いていましたがわたしがまず驚いたのが、担任の先生との連絡はメールでもWEB掲示板などでもなく、昔ながらの紙のノートの連絡帳だということ。
休むときには近所のお友達に届け、帰るときにお友達が届けてくれる。先生からの連絡にはハンコを押して、伝言など何か記入したときは、それが分かるようにそのページを開いて子供の連絡袋に入れる。
これだけでもわたしにはかなり衝撃的でした。クラス全員分の連絡帳を連絡袋から取り出して、いちいち確認する先生は大変。そして休むと午後から夕方に先生から電話がかかってきます。遅くまでお仕事しているお母さんなんてなかなか電話に出られません。病気の子供の面倒を祖母に頼んで、夜まで残業していた友人は夜遅くまで電話に出られず、帰宅途中の22時に担任から掛かってきたそうです。これは先生も親も大変。
学校からのお便りはすべて紙のプリント
連絡帳がこんな感じですから、当然ながら学校からのお便り、連絡、持ち物、予定、すべて紙に印刷されたプリント。それに加えて市や都(県)の行事案内や夏休み特別プログラムや地元のスポーツ教室などありとあらゆる広告が学校から配られます。
毎日、毎日、なにかしらのプリントが子供の連絡袋に入ってくるのです。広告お断りと学校に連絡したい衝動に駆られますが、面倒な親だと思われるのも嫌なので、毎日バシバシ紙ごみの袋に広告を放り込みます。子供が小学校に入って紙ごみが確実に増えています。いらない広告も多くて、紙がもったいない。
嫌がらせのような行事写真の注文方法
入学式や運動会など、専属カメラマンが入った後には学校の廊下に大量の写真が張り出されます。入学式のようにクラスごとにわかれて貼り出されている写真はまだ楽ですが、運動会は学年ごと。100枚も200枚もある写真のすべてに目を通さないと、わが子がどこにいるのか分かりません。
そして注文袋に写真番号を記入して、おつりのないようにお金を入れて、子供が学校に持っていって先生に提出します。ウェブ上で選んで注文できて、支払いも電子マネーで済ませるようなシステムってそんなに難しいものなんでしょうか。
ウェブ上で選ぶために画像を見せてしまうと写真が売れない、となってしまうことが問題なら、せめて注文だけでも、番号を入力してオンラインで支払いをする、とかできないものかと思います。
写真の注文については、とにかく時代に合っていない感がすごいです。
スマホの操作は出来ても、パソコンで文書作成ができない人が増えている
最近の若い学生さんはパソコンをあまり使っていません。スマホで友達とのやりとりや、ネットサーフィンはできてしまうので、パソコン自体を所有していない人が多いのです。これは学生さんだけでなく、若いママたちも同じ。
スマホで入力するのは驚くほど早いのに、きちんとした文章をパソコンでタイプすることが苦手。スマホでメールも書くから、文章のスタイル自体も変わって来ていて、20代ぐらいの人とはメールのやりとりしていても違和感を感じることが増えてきました。(わたしが年を取ってきたということなんですけど。)
いくらタブレットが使いやすくなってきたとはいえ、文章をタイプするにはキーボードのほうが断然快適です。タイピングの練習を中学、高校でやって、メールの書き方(タイトルの書き方、CCやBCCの使い方や書式、データの添付方法など)、基本的なワープロでの文書作成やエクセルでの簡単な表計算、描画ソフトの練習をやっておいたほうが将来の役に立ちそうだと思うのですが、、、。
パソコンの基本がある程度分かっていれば、タブレットなんて簡単です。わざわざ小学生から与えなくても、渡されたらすぐに使いこなせると思います。
小学生のタブレット利用はデメリットしか思いつかない
目に悪い
それでなくても大人も子供も画面を見ざるをえないことが増えているのに、いままで紙と鉛筆ですんでいた勉強時間に画面をみる時間が増えてしまったら、ますます目を酷使することになります。
ブルーライトで若年性老眼が増えている、などと言われているのに義務教育の小学校でも画面を見せる?電磁波遮断エプロンとか、ブルーライト防止の眼鏡も一緒に売りつけられますから一石二鳥とか?
故障したらすぐに修理や交換ができるわけじゃない
宿題を家でやろう、としたらタブレットが故障していた、なんてことになったら?授業中に自分のタブレットだけ壊れて使えなかったら?機械に故障はつきもので、それがないと勉強ができないというのは不便でしかありません。
先生が授業で使おうと思っていたら、機械の具合が悪くなってその日に予定していた授業ができない、なんていうことにもなりかねません。そんなところでそんなリスクを作るよりも、いままで通りに授業をやれば何も問題は起こりません。
電源がなくなくなったらまったく使えない
繰り返しになりますが、授業や課題をタブレットに頼ってしまったら、災害時などにも授業を再開して続けていくことが非常に困難になると思います。
先生も子供もそろっているのに、電気が復旧していなくて、電源がないからタブレットが使えず、予定していた授業ができない、なんていうアホな事がいまの日本なら十分に起こりそうで怖いです。
タブレットの導入にお金をかけるぐらいなら
小学校の連絡を電子メールやウェブサイトを活用できるように、運用方法を検討して導入してくれたほうがよほど親にも子供にも有効な予算の活用方法だと思います。(災害時の緊急メールは地元自治体に登録すれば受け取ることができます)
タブレットを使っても学習効果が劇的に高まるわけでもありません。いままで紙と鉛筆でやっていた学習をそのまま続けても、学習には長年培った人材も、教え方も、教材も全てが確立されているわけですから、まったく問題がありません。
親の立場で考えれば、連絡ノートでのやりとりや、学校からのお知らせ、学級便りなどは電子化してしまったほうが後からもういちど見直すのも楽になります。(字を書く練習として持ち物を子供に書かせるのはよいと思います。)でも忘れたら困る大切な持ち物などは、前日に一斉メールで確認したり、小学校でも電子メールの便利な使い方はいくらでもあると思うのです。
子供がひとり、なら今のアナログな方法でもまだいいですけど、うちは将来子供が3人そろって小学校に通う時期があります。3人そろって毎日あの大量のプリントを受け取ってきて、それを全部捨てるなりファイルするなりして処理していくと思うと今からうんざりします。実際にいまそれをやっている友人ママもいます。