鉛筆削り(手削り)を2種類を実際に1年使ってみた感想

昨年、上の子の小学校入学に合わせて鉛筆削り器を新しく買いました。自分が中学生ぐらいからは、筆記用具としてはシャープペンシルやボールペンを使い、鉛筆をほぼ使わなかったので、鉛筆削りなどという物の存在はもうかなり長い間忘れていました。なので一体どうやって選んでよいのやらさっぱり分かりません。

学校を卒業した後も使っていた鉛筆削りといえば、アイライナーペンシルの芯を削るコンパクトな鉛筆削り器。これは筆箱に入るぐらいのごく小さな鉛筆削り器で、削りかすもそのまま落ちるようなもの。芯の柔らかいアイライナーを時々少しだけ削るには便利なのですが、子供が日常的に使うには向きません。

ということで、小学校入学にあわせて鉛筆削りを新しく購入したのですが、最初のタイプはどうも不満で、もうひとつ別のを購入して使ってみると、どちらも良し悪しがあって結局2つを併用しています。もうどちらが欠けても悲しい、というぐらい鉛筆削り2機種併用に満足してしまっているのです。

なぜそんなことになったのか、その詳細をご紹介します。個人の感想ですから、人によって感じ方は違うと思います。参考程度にお読みください。

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鉛筆削り器は電動ではなく絶対に手動派

まずは最初に子供の使う鉛筆削り器を探したとき、絶対に決めていたこと。それは電動じゃなく手動で削れるタイプ、ということ。鉛筆を削るという単純な作業を電気でやる、というのがいやなんです。だって、電気がないと何の役に立たないから。

コンパクトな手削りの鉛筆削りだって、特別な力も必要なければ、難しくもない。そのために充電したり、コンセントに差したり、電池を入れたりすることがイヤ、って分かってもらえるでしょうか。故障のリスクも電動鉛筆削りのほうが高い気がします。

ですから、「新しく買う鉛筆削りの条件は、絶対に手動でハンドルがついたタイプ(お道具箱の置き鉛筆削りを除く)」でした。

最初に良いと思って購入したソニックのカルハーフ

わたしが最初に買った鉛筆削りは、ソニックのカルハーフの鉛筆削りです。カルハーフシリーズの良いところは、デザインの美しさ、削りカスが溜まる引き出しのロックなどの機能性、軽い力で楽に削れるというところでしょう。

惹かれたのは、その美しいシンプルでモダンなデザインでした。実際に使ってみて、デザインも機能も子供の手に合う大きさにもそれなりに満足。ただ、削り心地が軽すぎて、削った気がしない分、削り終わりが分からない。鉛筆を削る喜びと言ったら大げさだけど、削っていて楽しく感じない。あとは、鉛筆だと仕上がりの角度がどうも不満。

実際に店舗で購入する前に、ネットショップのレビューも見て慎重に選んで買った鉛筆削りだったのですが、最初に使った時から、見た目以外にはあまり好きだと思ったことがありませんでした。でも絶賛している人は沢山いるのです。

ソニックのカルハーフの欠点

わたしが苦手だったところは、

  • 本体重量が軽すぎて、鉛筆を削るときにしっかり押さえなければ安定しない
  • 穴がひとつあいているだけなので、短い鉛筆を差し込むのが不安(大人ならちゃんと取れます)
  • 削れている実感がなく、ついハンドルをたくさん回してしまう

せめてもう少し重量があればという気がしますが、とにかく個人的な意見としては使っていて楽しくないと感じたのです。

ソニックのカルハーフの良いところ

逆によいと感じるところは、

  • 削る角度が尖りすぎず、小さな子供でも危なそうに見えない
  • 色鉛筆を削るには角度がちょうどいい
  • 削りカスが落ちる部分がロック出来るので、倒してもカスが大きく散らばったりしない
  • デザインが美しいし、色も各種選べるので、インテリア的には選びやすい

2つめとして購入した日本製のカール手動鉛筆削り、エンゼル5ロイヤル

別に子供の道具なのでどうでもいいと考えればそれまでですが、下のふたりも好んで鉛筆や色鉛筆を使う年齢になってきて、家庭で鉛筆を削る機会は増える一方です。しかも、自分で筆箱の中身までチェックできない小学生なので、鉛筆を削るのは結局わたし。

(学校のお道具箱に簡易鉛筆削り器を入れてあるので、授業の合間の必要なときにさっと削れるから削っていなくても特に困らないんですけど。)

ソニックの鉛筆削りとしばらく付き合った訳ですが、とうとう我慢ができなくて2つめの鉛筆削り器に手を出してしまいました。その鉛筆削り器は、こちら。有名な日本製のカール 手動鉛筆削り エンゼル5ロイヤル です。

 

これを選んだ理由はシンプルです。昔自分が持っていて好きだったから。

ロイヤルは仕上げの芯の長さが選択できるのですが、それは芯が長めになるか、若干短めに仕上がるかの違いだけで、そもそも仕上がりが鋭角ですから仕上がりにあまり差がないように感じます。子供が使うと書きはじめにいつも鉛筆の芯の先が少し折れてしまうので、一応先がとがり過ぎないほうの設定を使っています。

それでも、わりと尖った仕上がりになるのですが、これがまたいい。削り心地が気持ちいい。

エンゼル5ロイヤルの良いところ

良いところを書いてみると、

  • まさに鉛筆を削っていると実感できる、軽い削り心地と鋭角の美しい仕上がり
  • 適度に重いので安定する
  • 昭和レトロな色と、機能的で無駄のない完成されたデザイン
  • 削れてしまえば空回りしてそれ以上削れないという安心感

後に書きますが、引き出しの構造などのデメリットもありますが、とにかく使っていて楽しい。鉛筆を実際に削って、実際に使ってきた昔の人たちの知恵と技術がぎゅっと詰まった日本製の鉛筆削り器というイメージがあります。

見た目だけでは、わたしは最初に買ったカルハーフが好きです。でも、この古臭さ、重量感、削り心地、仕上がり、どれを取っても総合的にはカールの鉛筆削り器のほうが好き。

鉛筆が削りたいが故に、たくさん字を書いて鉛筆を減らした日はうれしいと思った。新しい鉛筆をたくさん削ってずらりと並んだ筆箱が嬉しかった。そんな子供の頃のわくわく感がそのまま詰まっていて、たかが鉛筆削り器のくせに手に取った瞬間から好きだと感じてしまう。使う度に嬉しくなる。大げさかもしれませんが、とても魅力のある鉛筆削り器です。

エンゼル5ロイヤルの欠点

欠点は、

  • 角度が鋭角すぎるので、普通の鉛筆には向くが芯の太い色鉛筆は尖りすぎる
  • ひきだしがはまっているだけなので、小さな子供は倒したりして削りカスがこぼれやすい

この鉛筆削り機の最大の欠点は、削りカスが落ちる引きだしの構造だと思います。ここがまったく留まっていないので、小さな子供が扱うと斜めになったときに、引き出しが出てしまったり、倒したりしたときにカスがどばーっとこぼれてしまいます。

解決策としては、うちでは長めのマスキングテープでひきだしの前面を固定してしまっています。毎回カスを捨てるほど溜まらないので、わたしが定期的にカスを捨ててあげて、捨てたらまたマステで固定するという方法。

 
↑留まればなんでもいいんですが、色とか柄が本体に合う色だと無造作にべたっと1本貼っていても、それなりにカワイイ感じです。個人的には同系色の水玉が好き。

鉛筆削り2機種の実際の仕上がり比較

2つの鉛筆削り器を使うようになって、最初に不満が目立っていたほうの鉛筆削り器の良いところがさらに良いと思えるようになりました。仕上がり角度も違うので、必要に応じて好きなほうを選んで使えるというのは便利です。

カールとカルハーフ

簡易タイプ、子供が使う道具だと割り切ってしまえば、カルハーフも大型の簡易鉛筆削り器のような感覚で使えて、本当のもっと小型の鉛筆削り器と比べれば、ハンドルもあるし、カスがこぼれない工夫もあるし、先がとがりすぎないから小さな子にも危なくない。

2つの鉛筆削りがお互いの足りないところを補ってくれて、いまはこの併用にとても満足しています。

鉛筆の2機種の仕上がりを比較

まずは普通の鉛筆の仕上がり比較です。エンゼル5ロイヤルのほうは、芯の仕上がりが2段階に調整できますので、あまり尖らないほうの設定にしてあります。自分の好みは先まで細く尖らせるほうだけど、子供は絶対に書き始めに折るのでしぶしぶこちらに設定。

(左側)カールエンゼル5ロイヤル(右側)ソニックカルハーフ

カールとカルハーフの仕上がり比較、鉛筆

見ていただくと分かるのですが、右側のカルハーフのほうの仕上がりはなんとも物足りないというか、子供のおもちゃの色鉛筆セットでもらうみたいな、芯が短い仕上がりになってしまうので、わたしはこれがどうしても耐えられません。

小学校低学年の鉛筆は芯がやわらかいこともあって減りも早いので、あっという間に書けないほど芯が短くなってしまいます。

色鉛筆の2機種の仕上がりを比較

こちらは色鉛筆の仕上がりです。こちらは逆にカルハーフの仕上がりのほうが好ましいと感じます。左側は、色鉛筆の芯が太いせいで芯部分が異様に長く大きく出てしまって、苦手です。

とはいえ、色鉛筆はカッターナイフで削る仕上がりが一番好きなので、今でも時間があればカッターで削りますが、子供が自分で削るときには、子供にもカルハーフを推奨しています。

(左側)カールエンゼル5ロイヤル(右側)ソニックカルハーフ

カールとカルハーフ仕上がり比較、色鉛筆

エンゼル5ロイヤルで削っても、芯が減った鉛筆を削るとき、最後にハンドルが空回りするまで削らずに、ハンドルを4回ほどまわすだけにする、など削りを途中で止めればそれなりに満足のいく仕上がりになります。(芯先が2~3ミリ短い仕上がりになる)

でも、この鉛筆削りはおそらく仕上がり角度になるまでしっかり回すことを想定しているらしくて、途中で止めるとどうしても最後の削りカスが鉛筆にくっついたままになってしまいます。これは仕方がないので指でつまみとっています。

ですから、エンゼル5ロイヤルの鉛筆削りとしての良さはそんなビクビクした削り方では半減してしまうと感じます。

使用感のまとめ

いかがでしょうか。実際の削り心地は断然エンゼル5ロイヤルが優れていると感じますが、どちらにも一長一短あって、この2機の併用という現在の状況にわたしはとても満足しています。

色鉛筆に関しては、エンゼル5ロイヤルを最後まで削らずに芯が出すぎるのを防ぐ削り方を習得しればよいのこあもしれません。でも、この途中で止めるのが小さな子供にはまた難しい。しかも途中で止めるとどうしても削りかけのカスがついたまま出てきてしまうのですっきりしません。

お店でいろんな鉛筆削り器が並んでいるところで、実際に鉛筆を削ってみて選べたらいちばん良かったのかもしれませんが、そんなお店は近くにはありません。実際に異なる鉛筆削りをきちんと使い込んでレビューを書いたサイトもありませんでした。

ということで、たかが子供の鉛筆削りなのですが、あえて使用感の詳細をまとめてみました。

鉛筆削りをひとつだけ選ぶとしたら

わたしはエンゼル5ロイヤルを選ぶと思います。理由は、色鉛筆よりも鉛筆のほうが毎日学校のために削る必要があるから。ただし、マスキングテープでひきだしを貼り付けるのはうちでは必須です。